高校のとき、担任にこう言われました。
「人と違う道を進み続ければ、唯一無二の存在になれる」
そのころは、意味がよくわかりませんでした。人と違うことが、ただ怖かったからです。
それから約20年。何度も立ち止まって、そのたびに、まわりとは少しずつ違う景色を見てきました。今になって、あの言葉の意味が少しわかる気がしています。
はじめまして
地方都市で、2人の子どもと暮らしています。mameといいます。
もともとはサラリーマンでした。上場企業で経営戦略や組織コンサルティングをして、ひとつの目標だった年収1,000万円を達成しました。しかしそこに何かが残るわけではありませんでした。
その年に、ぼくは一度、立ち止まりました。結婚し、子供を授かり、戸建て住宅を買い、車を持ち。数字の上では順調。それでも、金銭的に楽なわけではなく、幸せかと言われれば何か物足りない。このまま残りの人生を走り続けることが、自分にとって正解なのかがわからなくなったのです。
世間知らずだった高校生
今思い出しても自分でも引くくらい、僕は世間知らずでした。
順調に学校生活を卒なくこなしていた僕です。衝撃的な事実を知ります。なんと高校へ進学するには、受験し試験に合格しなければならないと言うのです(笑)。忘れもしない中学3年生、4月。模試を学校でやる機会があり、そこに志望校を記入する欄がありました。
「⋯??」「まあ上から順に書いておけばいいか」
第一志望は、県で一番の進学校でした。
これには担任も大騒ぎです。なんせ「合格目安 480/500点」の学校を、「183/500点」の少年が第一志望に選んでいるのです。先生に呼ばれて、ぼくはこう聞きました。
「合格点って、なんですか」
先生の目が点になるのを、生まれて初めて間近で見ました。そこからひょんなきっかけで塾に通うことができ、なんとか 450/500点まで伸ばすことができ、県内4番手の高校に入ることができました。この塾講師の出会いがなければ、今の自分はなかったと確信しています。
14日間、350kmを歩いた夏
大学では、なぜかアウトドアサークルに入りました。根っからのインドア派なのに、です。
夏合宿は、14日間かけて350kmを野宿で歩くというものでした。無人島でキャンプもしました。車なら数時間の距離を、2週間かけて歩く。どう考えても非効率。変態の所業です。
でも、その歩く速度でしか見えないものが、たしかにありました。通り過ぎるはずだった景色、道端の小さな変化、一緒に歩いた人の横顔。あのとき、「非効率に見えることの中に、本当の価値があるのかもしれない」という感覚が、はじめて芽生えたのだと思います。
立ち止まって、生き方を選び直した
その後は、コンサルタントとして走り続けました。結婚し、子どもが生まれ、生活は前へ前へと進んでいきました。
途中で、予定どおりにはいかないことが、いくつも重なった時期があります。家庭のことも、仕事のことも。そのひとつひとつは、いつかこのブログの中で、必要としてくれる人に向けて書いていくつもりです。
はっきり言えるのは、その時期に何度も立ち止まったことで、ぼくの人生の解像度が、確実に上がったということです。急いでいたら通り過ぎていたはずのものが、立ち止まったからこそ見えました。
いくつかの区切りを経て、今は子どものそばで働ける形を、少しずつ整えています。
毎朝15分、豆を挽く
毎朝、手で豆を挽いて、サイフォンでコーヒーを淹れます。2009年から続けている習慣です。
ボタンひとつで、もっと速く淹れる方法はいくらでもあります。それでも、この15分がないと一日が始まらない。お湯が沸くのを待つ時間、香りが立ちのぼる瞬間、その日最初のひと口。急がないと決めた15分の中に、一日を整えるものが全部つまっています。
考えごとのある日は、露天風呂に行きます。スマホもない。紙もない。極限の何もできない時間の中でこそ、こんがらがった考えがほどけていく。これも、もう長く続いている習慣です。
このブログのタイトル「to-mawari」は、そういう生き方から生まれました。遠回りとは、物理的に回り道をすることではありません。少しだけ、立ち止まること。急ぐ手をゆるめると、世界の解像度が上がる。それが、僕の考える「遠回り」です。
このブログで書くこと
Work Design|働き方をデザインする
コンサル経験と、たくさんの失敗から学んだ、仕事の設計について書きます。
Life Design|生き方をデザインする
立ち止まることを楽しむ習慣、ルーティン、価値観について書きます。
Family Design|家族との時間をデザインする
子どもと過ごす日々の工夫や、旅の記録を残します。
Money Design|お金と制度をデザインする
暮らしを支えるお金や制度の整え方を、実際に通過した経験から書きます。
最後に
うまくいっていることも、いっていないことも、そのまま書くつもりです。
みんなと同じ道、みんなより先に進むことが、正解とはかぎりません。ときどき立ち止まって、自分だけの景色を見つける。そんな時間を、この場所で一緒に楽しめたらうれしいです。
立ち止まった者にしか見えない景色が、きっとあります。
遠回りの途中で、また会いましょう!
mame


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